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姫路文学館

姫路文学館の特別展取材日記

特別展『こころ』から百年 夏目漱石 ―漱石山房の日々―

姫路文学館で2014年10月11日(土)~11月30日(日)まで開催しているイベント、 「『こころ』から百年 夏目漱石 ―漱石山房の日々」に行って来ました!
夏目漱石の人気作品『こころ』が出版されてから百年を記念して開催されたのが今回の特別展。 夏目漱石と交流した、播州にゆかりのある人物についても紹介されています。

特別展「『こころ』から百年 夏目漱石―漱石山房の日々」

まずは、特別展示室(北館2階)の中を一部ご紹介します。

特別展「『こころ』から百年 夏目漱石―漱石山房の日々」

特別展示室に入って真正面には、『こころ』をはじめとした『三四郎』や『草枕』、絶筆となった『明暗』など、数々の名作を生み出した「漱石山房」について紹介されています。ここで、夏目漱石が作品を執筆したり、木曜日には門下生や知人を呼んでいたとか。
真ん中に展示されている紫檀(したん)の机に向かって執筆されていたようですが、意外と小さい!

特別展「『こころ』から百年 夏目漱石―漱石山房の日々」

こちらには、夏目漱石が『こころ』の読者である松尾寛一少年(大正3年当時、兵庫県印南郡(現・加古川市)の小学6年生)に宛てた書簡が展示されています。
この書簡を見たいが為に、関東から姫路までいらっしゃる方がいるそうです。
内容は、松尾寛一少年が夏目漱石に宛てた書簡に対して、「あなたは小学の六年でよくあんなものをよみますね。あれは小供(子供)がよんでためになるものぢやありませんからおよしなさい、あなたは私の住所をだれに聞きましたか」 という微笑ましいやり取り。
確かに、松尾寛一少年がどうやって住所を調べあげたのか気になりますね…

特別展「『こころ』から百年 夏目漱石―漱石山房の日々」

次にこちらでは、姫路出身の哲学者 和辻哲郎との手紙、心の交流について紹介されています。
中学時代から夏目漱石のファンだった和辻哲郎が、最初の著作『ニイチェ研究』を出版するにあたり、夏目漱石に長年の敬慕の念を綴った手紙に対する返事を見てみると…なるほど!
『こころ』に登場する「先生」が「私(=学生)」に対するときの口調に似ていました。
和辻哲郎が「私(=学生)」のモデルという説があるのも肯けます。

松尾寛一少年との書簡のやり取りや、姫路出身の哲学者 和辻哲郎との心の交流、展示されている数々の書簡を見てみると、夏目漱石はかなり真面目な人であり、かつかなり個性的な人であったこと事が窺えました。

特別展「『こころ』から百年 夏目漱石―漱石山房の日々」

今度は場所を移して南館へ。

特別展「『こころ』から百年 夏目漱石―漱石山房の日々」

こちらは、「原稿で読む『こころ』」のコーナー。
夏目漱石が執筆した原稿を読みながら『こころ』の名場面を追っていくというコーナーなのだそうです。

特別展「『こころ』から百年 夏目漱石―漱石山房の日々」

『こころ』の「上 先生と私」から「中 両親と私」「下 先生と遺書」まで名場面集が展示コーナーの壁に!

特別展「『こころ』から百年 夏目漱石―漱石山房の日々」

今回ご紹介したのはほんの一部です。
作品の肉筆原稿、書簡、書画など、見所がたくさんあります。
ぜひ実際に来て見ていただきたい特別展です。

姫路文学館の取材日記
特別展取材日記「こころ」から百年 夏目漱石

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