姫路文学館って?
姫路文学館は、姫路を中心とした播磨ゆかりの文人たちを顕彰し、資料の収集および調査、研究を行うとともにあらゆる文学活動の拠点とすることを目的に、平成3年(1991年)4月、市制百周年事業の一環として開館した博物館施設です。国宝姫路城の北西に位置し、建築家 安藤忠雄 氏の設計によるユニークなデザインが古い町並みに新しい風景を添えています。
姫路文学館の特別展・企画展のお知らせ
特別展「没後10年 作家 車谷長吉展」 

されば私は自分の生き血をしぼるようにして私(わたくし)小説を書いて来た。
「三島由紀夫賞受賞の言葉」平成5年
平成の世に現れ、「最後の私小説作家」と呼ばれた姫路出身の直木賞作家・車谷長吉。その死からはや十年の時が経ちました。一語一語にこだわり抜いた鬼気迫る無二の文学世界は、今も多くのファンの心を揺さぶり続けています。
二十六歳のデビューから苦汁をなめつづけ、最初で最後のつもりで世に問うた作品集『鹽壺の匙』によって四十七歳にして一躍、文壇の注目を浴びた車谷。白洲正子や安岡章太郎らに高く評価され、江藤淳をして「文学をやっていて良かった」と言わしめた気骨と品格をそなえた車谷文学は、作家が歩んできた孤独で長く苦しい道のりにこそ、その神髄があるといえます。
このほど、妻で詩人の高橋順子さんより、東京都文京区の終の住処「蟲息山房」に作家が残した遺品が当館に一括寄贈されることとなりました。遺愛の品々に加え、蔵書は約千冊、ノートやメモ、原稿類は約五百点、書簡類は約二百点にのぼります。
本展では、これらの膨大な資料により、生真面目でわがままで臆病で虚栄心ばかり強かった「車谷嘉彦」という少年が、いかに反時代的精神を背負った文士・車谷長吉として屹立していったのかをひもときます。自らが経験してきたあらゆる「実」を小説としての「虚」が破り、あの独自の作品世界が完成するまでの長い物語。また、「毒虫」を自称した異形の作家像や作品世界とは異なる、少年のような繊細さと純粋さを秘めたその実像にもせまります。虚実が恐ろしいほどに巧みにからみあった禁断の「車谷ワールド」をどうぞ存分にお楽しみください。
【会期】2025年4月19日(土)~6月22日(日)
姫路文学館

- 所在地
- 〒670-0021 姫路市山野井町84番地
- 電話番号
- 079-293-8228
- FAX
- 079-298-2533
- 開館時間
- 10:00-17:00 ※入館は16:30まで
- 休館日
- 毎週月曜日(休日の場合は開館)、休日の翌日(土日の場合は開館)、年末年始(12月25日~1月5日)
バスで
【1】JR・山電姫路駅前の神姫バスターミナル9・10・17・18番(一部停車しない系統がありますので、ご確認ください)乗り場から乗車約6分「市之橋文学館前」下車→北へ徒歩約4分
【2】城周辺観光ループバス「清水橋・文学館前」下車→西へ徒歩約3分
お車で
【1】姫路バイパス「中地ランプ」下車→北東へ約15分
【2】山陽自動車道「姫路西I.C」下車→南東へ約25分「姫路東I.C」下車→南西へ約25分
【3】中国縦貫自動車道「福崎I.C」より播但連絡自動車道「砥堀ランプ」下車→南西へ約25分
【4】国道2号線より、大手前通りを北上→姫路城前を西へ約700m→野本眼科の角を右折約200m
※駐車場(50台・無料)※大型バスでご来館の場合は事前にご連絡ください