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自社契約農場で育てるオリジナルの黒毛和牛「宍粟牛」を販売する柴原精肉店の二代目店主。宍粟牛は、誕生から50年以上をかけて口コミで広まり、京阪神を中心に全国から注文依頼がある。より美味しい状態で届けるため、冷凍をせず真空した生肉を届けるスタイルを貫く。宍粟市の2014年度の『ふるさと納税』の記念品として宍粟牛を提供して以来、宍粟市の名と共に注目を浴びる。また、鹿肉の食用化にも力を入れる。
―――そんな宍粟牛が『ふるさと納税』の記念品として登場して以来、宍粟市への納税が急増しているとお聞きしました。
『ふるさと納税』の協力依頼があったのが、2014年に入ってからでした。1万円以上の納税者に対し、宍粟牛のもも肉850ｇもしくはロース500ｇを送らせて頂いています。
市役所からの依頼だったので、ただ「協力しよう」と思い、引き受けたのですが、その反響は想像以上でした。最初の週は50件程でしたが、翌週からは徐々に増え続け、気付けば毎週500件以上の依頼を受けるようになったんです。
『ふるさと納税』の記念品として、全国的に牛肉が人気だったこともあると思いますが、新聞などでよく取り上げてもらっているので、さらに興味を持つ方が増えているようです。
また、一度納税し、宍粟牛を食べていただいた方が、再度宍粟市へ納税して下さったり、宍粟市に足を運んで下さったり、宍粟市にとっても嬉しい効果が出てきています。
これをきっかけに、宍粟市の他の産業への関心も高まってほしいと思っているんです。
―――その人気ぶりに、数量制限を設けられたほどだと聞きました。今後も続けていかれるのでしょうか？
来年以降も、長く宍粟市のお手伝いをしていきたいと思っています。
今、一番美味しい状態で召し上がっていただきたいので、１件ずつお届け日を確認し、生肉を真空保存でお送りしているのですが、このスタイルを変更したくはありません。
しかし、今は想像以上のご応募をいただいているため、お待たせする期間も長くなってしまいます。
また、このペースで申し込んでいただくと、牛の生産状況も追いつかない状態になると判断し、生産体制を整えられるまでは、数量の制限をかけさせていただくことになりました。
―――今後、牛の生産を増やされるご予定なんですか？
波賀町にある牧場を広げたいと考えています。この土地で育った牛は、質が高く、評判も良いので、この地を活かさない手はないと思っています。
ご希望される方全員にお届けできるよう、早く体制を整えたいのですが、牛舎の建設にあたり、行政上の手続きなどもあり、今はそれを一つひとつクリアしていっている状態です。
牧場周辺の地域は、小学校が統廃合されるほど過疎化が進み、何も栽培されていない田畑もたくさんあります。定年退職をされた元気な方もたくさんおられ、その方々に牧場の仕事をお願いしたいと思っているんです。
牧場が上手く稼動し、宍粟牛を需要に応えて安定して提供できるようになれば、地場産業として進化させられ、更なる雇用の拡大も見込めます。雇用が安定すれば、若い世代も呼び戻せるんではないかな？と思っています。
若い人が増え、子どもが増えると地域は活気づく。宍粟牛でそんなきっかけを作っていきたいと思っているんですよ。