皮革産業発祥の地である高木地区に2007年に開設された皮革のアンテナショップ「レザータウン姫路 革の里」では、常時100枚以上の牛・馬の色とりどりの鞣し革生地や高品質なカバン・靴・ベルト・財布等の革製品を展示。また、本格的に技術が学べる『レザークラフト教室』などのスクールを開講しています。
今回は、「レザータウン姫路 革の里」の『レザークラフト教室』で教えられている4名の講師の方々をご紹介させていただきます(2024年4月現在 3名)
中野義夫先生
レザータウン姫路 革の里での講師歴:2年
担当スクール:ミシンスクール(主に鞄や財布などを教えられています。)
得意分野:財布、バッグ
国産のなめし革などを使用した作品を対象とする日本最大の革製品コンペティション「ジャパンレザーアワード2022」で『バック部門 ベストプロダクト』を受賞された中野先生。
受賞したトートバッグ「”リム”トート」は、斬新なデザインで機能性も評価されました。車のホイールのリム部分が飛び出ていたのを見てひらめき、トートバッグの底面に台形の「捨てマチ」にロゴマークを刻印したオリジナリティーのある鞄を造りだされたそうです。
また、過去にも同アワード「ジャパンレザーアワード 2013」にて『プロフェッショナル メンズバッグ部門』も受賞されています。
中野先生がレザークラフトに関わるきっかけとなったのが、ハーレーダビッドソンとの出会い
ハーレーダビッドソンと言えば、“革の財布、メディスンバッグ”と思い立ち、革製品は買うと高いので知人にお願いしたところ、「材料は用意するから自分で作ってみたら」と言われ、そこからご自身で手縫いで革製品を作るように。そこから、友達にも作ってほしいと頼まれるようになり、色々な革製品を製作されるようになったそうです。
中野先生にやりがいをお伺いしたところ、
「20年前から革製品を自分で作り始め、最初は『こんなものができて嬉しい』と思い、次は『自分がこんな素敵な事を教えれるようになって嬉しい』、教わった人も『こんな物が作れて嬉しい』...“嬉しい”が広がっていくのを嬉しく感じる」
とおっしゃられていました。
また、「レザータウン姫路 革の里」には中野先生が製作された革製品がたくさん並べられています。
その中で気になったのが、ブルドッグの描かれている革製品。
ご自身が飼っているワンちゃんがモチーフになっているいそうで、とてもかわいくて、キーホルダーや財布など色々なものがありました。
「レザータウン姫路 革の里」へお立ち寄りの際には、是非ご覧ください
田坂直樹先生
レザータウン姫路 革の里での講師歴:2年
担当スクール:手染め講習会・手染めスクール
得意分野:靴のパティーヌ
PRポイント:今までの豊富な経験と知識!
皮革の有名な町に生まれ、10年前から皮革に携わる仕事をされている田坂先生
田坂先生は兵庫県皮革大学校皮革製造基礎部門を修了し、国家資格「クリーニング師免許」をお持ちになっています。
昔から“ものづくり”が好きということもあり、皮革製品の修理をされてきました。
今までの修理件数は、“30,000点”以上。
皮革製品なら何でも幅広く修理を行っていらっしゃるそうです。
田坂先生の手にかかると、普通のクリーニングによくある革の縮み、色褪せ、シワ等によるトラブルも全く違う仕上がりになります。
▼以前、はりまるしぇで田坂先生をご紹介したブログはこちら
田坂先生の得意分野は、「靴のパティーヌ」で、色を何層も重ねて染め上げ手作業ならではの独特なムラ感を出す染色技法で、どこにもない味わいのある一点物が出来上がります
田邉正利先生
レザータウン姫路 革の里での講師歴:15年
担当スクール:手縫いスクール
得意分野:トートバッグ
スクールのPRポイント:手間はかかりますが、手縫いならではのステッチラインは、とても美しく、あの有名なブランドの鞄、バーキンも手縫いだと言われています。手縫いスクールは、革製品を製作するのに機械を使用しないので始めやすいと思います。
今回ご紹介した講師の方々の中で、「レザータウン姫路 革の里」での講師歴が一番長い田邉先生
お話を伺うにつれ、はりまるしぇスタッフも田邉先生の器用さに驚かされました。
まず、田邉先生は、20年前から趣味で革製品を作り始められました。
そのときは、誰から教わるでもなく自己流。
鞄や財布などの革製品の製作はもちろんのこと、なんと『革を切るハサミ』まで作られたそう!
今では、製作の幅を広げ、靴も作られています。
本当に何でも自分で作ってしまうほど、作ることに対して“熱い意欲”をもっている先生です。
こちらは田邉先生が作られた鞄です。
型押しの柄から縫製まで、田邉先生のこだわりが詰まった素敵なバッグでした
柳田径哉先生
※柳田先生の教室は、2024月3月末をもって終了しました。
レザータウン姫路 革の里での講師歴:7年
担当スクール:ミシンスクール
得意分野:財布
長年、タンナーの仕事を兼ねながら、革製品づくりをされている柳田先生
タンナーとは、「皮」から素材として利用できる「革」にする「なめし処理」を行う仕事です。(「なめし」は英語でtan(タン)。それを行う者なので「tanner(タンナー)」と呼ぶそうです。)
「なめし」には、数多くの工程があり、長い年月をかけて培われてきた技術と経験が必要になります。
柳田先生は、タンナーと革製品づくりをされている、言わば『革を知りつくしたスペシャリスト』。
革の取り扱いについては理解度が深く、革素材について教わりながら製作することができます。
*「なめし」・・・皮から、腐敗の原因となるたんぱく質や脂肪を取り除き、薬品とコラーゲンと結合させ、柔軟性・耐久性をもたせる加工技術のこと。
こちらは、柳田先生が作られた鞄。
見た目はシンプルながらも、革の良さを最大限に生かしたスタイリッシュな作品です
「レザータウン姫路 革の里」の『レザークラフト教室』は、
・手縫いスクール
・手染め講習会・スクール
・ミシンスクール
の3種類のスクールがあります。
今回ご紹介した講師の方々が、丁寧に教えてくださる『レザークラフト教室』
講師の方々のユーモアあふれるお話などを聞きながら、「レザータウン姫路 革の里」の温かみのある環境で、レザークラフトをしてみませんか
皮製品の奥深さがよくわかりました。