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<プロフィール>

代表取締役社長 北中宏忠氏

北中宏忠氏

柔道整復師・鍼灸師として大阪で経験を積んだ後、2003年に地元・姫路で「きたなか整骨院」を開院。矯正・鍼灸・整体を組み合わせた複合療法を行う。整形外科や歯科など医療機関との連携も行うなど、総合的なアプローチから地域の健康を支えている。2012年には神崎郡福崎町に「もちの木整骨院」を開院。2014年には姫路市で2院目となる「しぃーさん整骨院」と共に、新規事業であるリラクゼーションサロン「SORAE」をオープンする。

1.患者さんの痛みと真摯に向き合うことで生まれた信頼

―――開院当初から、整形外科や歯科といった医療機関との連携をされていますね。整骨院では珍しい試みだと思いますが、どうして始められたのですか?

一般的に、整形外科と整骨院は相反するところにあると思われがちなのですが、そうではないと思っています。患者さんの痛みに向き合い、改善に取り組もうとすると、双方からのアプローチが大切になってくると思うんです。

来院された患者さんの訴えている痛みの原因は、骨折やその他疾患の疑いがある場合も少なくありません。それらの可能性がある場合、当院では医療機関に紹介状を書きます。

連携先の整形外科に紹介する場合は、レントゲンやMRIなどの画像データを共有し、その方の状態を一緒に把握することで、適切な治療方針を考えることができるのです。

代表取締役社長 北中宏忠氏

包括的に一人の患者さんに向き合う為に大切なことは、病院の先生方と信頼関係を築くことから始まると思います。まず我々が、医療機関が行う治療方針を把握し、理解すること。

そして、整骨院でどのようなフォローを行うかを医療機関の先生に知っていただくこと。言葉で言うほど簡単ではありませんが、信頼関係がなくては成り立たないのです。

それに気付くきっかけは、一人の整形外科医との出会いでした。24歳の頃、事故にあい4カ月も入院したことがあります。その際の主治医だった方が、とても親身になって治療にあたってくださいました。退院後も仲良くして頂き、公私にわたり良い信頼関係を築けていました。それは僕が独立した後も続いて、連携をしていくことができたと思います。

また、口周りや顎などに原因があると思われる場合は、歯科医である兄が院長を務める歯科医院に紹介しています。兄弟だからこそ始めることができましたが、互いの領域を活かした総合的なケアを行う環境ができました。

信頼関係を築く一方で、我々に的確な診断力がないと痛みの原因が見えてきません。そのため、院内での技術や知識の指導に加えて、定期的に連携先の医療機関で行われている勉強会にもスタッフ全員で参加させていただいています。

―――きたなかグループのスタッフさんは、とても積極的にお仕事されている方が多いと思います。施術中もとてもよく話しかけて下さり、いろんな意味で安心できますね。

スタッフに対しては、コミュニケーションと治療技術の両輪を磨いていってほしいと常々話しています。

施術イメージ

よく大間のマグロに例えて話すんですが、「採れたばかりの最高の大間のマグロですよ!」と価値を聞いてから食べるのと、黙って出されたマグロを食べるのとでは、全く違ってきますよね。それと同じで、患者さんのことについてなど、何か話しながら治療をするのと、ただ黙々と治療をするのとでは、受け手にとって大きな違いがあります。

今の時代、「痛みを取る」方法は一つではありません。整形外科に行く、鎮痛剤を飲むなど、たくさんの選択肢があります。そんな中、整骨院を、それも当院を選んで下さる理由を考えた時、ただ痛みを取りたいだけでなく、もう一歩進んだ何かを求められているんだと感じています。身体を触っていて気付いたことや、日常会話の中から見える健康への取り組み方法をお話するなど、言葉でのケアも大切にしていきたいと考えているんです。

受付イメージ

もちろん、患者さんと会話をするためには、相応の知識や、身体の不調を改善できる技術力が無くては意味がありません。共に磨いてこそ、患者さんから信頼していただけ、本当の意味で健康をサポートできると思っています。

そういった努力は、施術するスタッフだけに求めてはいません。受付スタッフには、来院された患者さんに対して「○○さん、こんにちは」と、お名前を呼んでお迎えするよう指導しています。その方に関わる全員が、一人ひとりの患者さんを認識することで、互いの信頼感が増すと思っているからです。