株式会社マインズ 代表取締役
社会保険労務士
人材派遣会社で経験を積み、近畿エリアを統括するマネジメント職まで務めた後に独立。2008年10月、姫路市で株式会社マインズを設立する。2011年、社会保険労務士事務所を併設。人材派遣から雇用コンサルタントまでトータルに「雇用」を扱い、専門性をもった企業として評価を高める。2014年6月、姫路市から運営委託を受け、厚生労働省の就労支援事業の一環として「ひめじハタラク支援センター」を開設。
―――同業の企業がたくさんありますが、新たに人材派遣会社を立ち上げられたのはなぜでしょうか?
「人材派遣」という言葉に対して、世間の人が持つイメージはあまり良くありません。私はこの業界で仕事を続けながら、それをずっと感じていました。
そもそも「派遣」というのは、雇用形態の一つ。いくつもある「働き方」の一選択肢なのに、なぜか悪い印象を持たれていることが多く、社会的な地位も低く見られがちです。確かに、一部にはそう思われても仕方がないような運営をしている会社もあります。しかし、大半の人材派遣会社が法令に基づき、どこにも恥じない運営をされているのです。
こうした社会背景から、「派遣」という雇用形態で働いている人のイメージを少しでも良くしたい。真面目にやっている人材派遣会社の地位を向上させたい。そんな想いを持ち続けていました。
そして、「人材」を扱う仕事だからこそ、もっと「人」を大切にした会社を作りたいと思い、志を同じくする6名で、地元・姫路で株式会社マインズを立ち上げました。―――河本社長は社会保険労務士としても活躍されていますが、この資格取得はとても難関ですよね。独立以前から資格はお持ちだったんですか?
社会保険労務士の資格を取得したのは、起業後です。
会社を設立しても、最初から順調に仕事があったわけではありません。取引先も、登録スタッフも、人脈も、お金も無い。全てが無い中で、私にあったのは、従業員と時間だけでした。この「時間」を有効に使おうと思ったんです。
ご存知の通り、この地域にもいくつもの派遣会社があります。新規参入の弊社と取引をして頂く為に、企業にも登録いただくスタッフにも、何かメリットと感じてもらえるものが必要だと考えたんです。
人材派遣会社は“雇用”を扱う会社ですが、そこで働く一人ひとりが雇用に関する専門知識を持っている訳ではありませんよね。この「雇用の専門知識」を強化すべく、人事・労務管理のエキスパートである社会保険労務士を目指すことにしました。
そして、2011年に資格を取得。同年12月に社会保険事務所を併設しました。―――確かに社会保険労務士さんが経営されている人材派遣会社なら、取引する側・登録する側にも大きな安心感がありますね。急成長をされている御社ですが、社会保険労務士事務所を併設されてから、お仕事に変化はありましたか?
信頼を得る為の一つの「武器」にはなっていると思いますが、資格を取ったことだけで、仕事に変化があったとは思っていません。会社が一丸となり、“雇用”をトータルにサポートできる環境を作ってきたことの方が大きいです。
現在、人材を求める企業様と働きたい方のマッチング機能を担う「OS事業」(人材派遣業務)、雇用コンサルタント、労務支援など雇用のマネジメント機能を担う「EC事業」(社会保険労務士業務)、雇用創出を担う「雇用支援事業」(キャリア形成や社員研修、就労支援など)を柱とした事業展開を行っています。
多くの取引先と約250名の派遣スタッフに恵まれるようになりましたが、これは従業員一人ひとりがコツコツと積み重ねて得た結果だと思います。
また、そんな環境が、私の社会保険労務士としての経験値を上げてくれています。弊社では、従業員・派遣スタッフを合わせて、250名を超える自社スタッフの労務管理を行っていますが、こんな社会保険労務士事務所は他にはないのではないでしょうか。自社での取り組みから、他社とは違った提案やサービス提供を行えると思っています。